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2023年に行われた検索エンジン・アップデートまとめ

【著者】SEOアドバイザー・SEOホームページ代表・占部圭吾

私たちがGoogleなどで、何らかのワードを入れて「検索」を行うと、その検索ワードに関連するウェブページが表示されます。

このときに、1番最初に表示されるページ、2番目、3番目…とランキング形式で表示されることは、皆様のよくご存じだと思います。

このランキング(検索順位)を表示する際に使われるのが、検索エンジンの「アルゴリズム」です。

2023年に行われた検索エンジン・アップデート

検索エンジン・アルゴリズムとは、
ランキングを行うための「計算式」であり、
膨大な要素・複雑な計算式で構成されています。

この計算式の要素が変わったり、加わったり、計算方法に変更が加えられたりしますと、
表示される検索順位が大きく変わります。

このようなアルゴリズムの変更を「検索エンジンのアップデート」と言います。

これまでも、多くのアップデートが行われ、検索順位が大きく変動したり、
SEO対策の根本的な見直しが必要になったりしてきました。

2023年も、たくさんの検索エンジンアップデートが行われました。

2023年に行われたアップデートを確認して
SEO対策の流れをつかむことは非常に重要です。

2023年のGoogle検索エンジンアップデート

それでは、2023年に行われた(行われる予定も含む)
検索エンジンアルゴリズムの「アップデート」を見て行きましょう。

開始日アップデート名
2023年3月15日~コアアップデート
March 2023 Core Update
2023年3月31日Mobile-first indexing の移行完了
2023年8月23日~コアアップデート
August 2023 Core Update
2023年9月15日~ヘルプフルコンテンツアップデート
September 2023 Helpful Content Update
2023年9月20日~Google Discover 検索結果の改善
2023年10月5日~リンクスパムアップデート
October 2023 Spam Update
2023年11月3日~コアアップデート
November 2023 Core Update
2023年11月3日~ヘルプフルコンテンツアップデート
November 2023 Helpful Content Update
2023年12月~MUM のリリース
検索エンジンに新たなAI「MUM」を搭載

2023年は、
「コアアップデート」が3回
「ヘルプフルコンテンツアップデート」が2回
「リンクスパムアップデート」が1回行われました。

とくに8月以降に高頻度で立て続けにアップデートが行われたため、
検索順位での影響を大きく受けた方も多いかと思います。

では、具体的に2023年の検索エンジンアップデートについて見て行きましょう。

コアアップデート

3月、8月、11月と、3回行われた「コアアップデート
検索結果の品質向上を目指すアップデート、ということなのですが
Googleは、その具体的な改良点・内容については公表していません

ただ、これまでの傾向を分析しますと

  • 検索者の検索意図との関連が高いウェブページを上位化
  • ユーザーにとって有益なコンテンツを持つページを上位化

という方向性の中でのアップデートであったと考えられます。

とくに「YMYL」と言われるジャンルにおいて
検索順位の大きな変動が見られました。(一部サイトにおいて、大きな順位下落など)

YMYLとは、「Your Money Your Life」⇒人生・生活に大きな影響を及ぼす分野のことで
医療・医薬品・法律・訴訟・就職・ローン・金融・投資など様々なジャンルが含まれます。

検索エンジンは、とくにYMYLジャンルにおいて
コンテンツの「正確性」「最新性」「専門性」を求めており、
素人が書いた、あいまいで不確かな情報ページの評価を上げないようにしています。

ヘルプフルコンテンツアップデート

ヘルプフルコンテンツアップデート」は、
ヘルプフル(=ユーザーにとって有益)なコンテンツを評価して、
検索ランキングで上位化させるためのアップデートです。

2022年に導入され、
今年の9月、11月と連続的に2回のアップデートが行われました。

ヘルプフルコンテンツアップデートの特徴は

  • コンテンツの「質」「有用性」「専門性」を重視して価する
  • AIによってコンテンツ評価する
  • サイト全体を、コンテンツ評価する

という点にあります。

コンテンツ評価をAIで行う点で画期的であり、
従来の検索エンジンではできなかった「コンテンツの品質評価」を
AIの機会学習などを使って行い、検索順位に反映させる、という
非常に重要な内容のアップデートとなっています。

また、「サイト全体」の評価を行いますので
粗製乱造された・低品質のコンテンツページが多いサイトは
サイトの評価全体が下がりますので、
1ページだけの影響ではなく、サイト内のあらゆるページの検索順位に影響を与えます。

ヘルプフルコンテンツアップデートの影響で、サイト内のページの検索順位が軒並み下がってしまい、集客で大きなマイナスの影響を受けたサイトも多く出ています。

これからのSEOを考えるとき、
コンテンツの質・有用性・専門性が、まず大前提になってくる、ということになります。

リンクスパムアップデート

リンクスパムアップデート」は、
低品質なコンテンツページを作成してリンクを貼ることにより検索順位を上げようとするなどの、意図的な「被リンク」対策を排除するための検索エンジン改良アップデートです。

被リンク」は、他サイトからの支持としての機能も持つため
検索エンジンは、被リンクの多いページを、品質の高いページとして評価する材料としています。

ただし、低品質なページを大量に作成して、リンクを貼って行く…という自作自演の被リンクについて
これまではなかなか見抜くことができず、被リンク評価の正確性が高いとは言えない状態でした。

リンクの質が問われる時代に

「リンクスパムアップデート」により、
リンクの質」「リンクの自然さ」「リンクの目的」などの評価が本格的に始まりました。

ここでも、AIの導入が大きな役割を果たしています。

質の低いリンクが排除されることで
ユーザー満足度の測定の正確性が増すことになり、
検索ユーザーの利便性と、質の高いコンテンツページが上位化できる環境が整ってきています。

リンクスパムアップデートは、2022年12月にリリースされ、
2023年10月に、さらなるアップデートが行われています。

MUMリリース

2023年12月には、新たな検索エンジンアルゴリズムのアップデート「MUM」リリースが予定されています。

MUMは「Multitask Unified Mode」の略で、マルチタスク実行・情報統合処理を行うAIモデルです。

従来のAIモデル「BERT」では
文章の理解に弱く、画像・動画の理解ができませんでしたが、

MUM

「MUM」では、長い文章でも、その意味をAIが理解できるようになりますので
検索で、長い文章を入れても、的確に検索結果が表示されるようになり、
ホームページのコンテンツ・文章も理解しますので、コンテンツ評価の精度が高まることが期待されます。
(SEOにおいて、質の高いコンテンツがより大切になって行きます)

また、これまで検索エンジンは、画像や動画を理解できませんでしたが
MUMでは、理解することが出できるようになりますので
サイト内の画像表示・動画表示の意味も一層重要となるでしょう。

-BERTMUM
発表時期2018年10月2022年1月
処理能力100億パラメータ1370億パラメータ
タスク・単語の意味理解
・文脈の理解
・質問への回答
・複雑な質問や文章の理解・回答
・多言語間の翻訳
・画像や動画の理解

※「MUM」は、2023年12月からGoogle検索エンジンに搭載されています。

その他のアップデート

●モバイルファーストインデックスの移行完了

モバイルファーストインデックスとは、
検索エンジンのインデックスデータを、モバイル版のWebサイトから優先的に作成し、検索結果に反映する仕組みです。
インターネット利用がモバイル中心に移行する中で、検査ランキング評価もモバイル優先を採用する「Mobile-first indexing」を2018年から開始しました。
2023年3月31日をもって、すべてのサイトの移行が完了しました。

●Google Discover の検索結果の改善

「Google Discover」とは、Googleアプリのホーム画面やモバイルのChromeホーム画面の「おすすめの記事」として表示されるモバイルでのGoogleサービスです。
Gアカウントなどから、そのユーザーの興味や関心に基づいて、関連性の高い情報を自動的に表示するものですが、このの検索結果の改善が9月に行われました。
ただ、ウェブサイト運営側には、特別な対策は必要なく、SEOに準じた質の高いコンテンツ提供を行うことで、Google Discoverに表示される可能性が生まれます。

まとめ

2023年のGoogle検索エンジンのアップデートの特徴をざっくりとまとめますと

  • コンテンツ重視の傾向が一層強まった
  • AIを活用した評価システムが大きく広がった

という2点に集約されます。

コンテンツ評価も、リンクの評価も、AI活用によって
より広範に、より正確性を増したものにアップデートされたと言っていいでしょう。

「コアアップデート」「ヘルプフルコンテンツアップデート」「リンクスパムアップデート」は、それぞれ対象やアプローチが違っていますが
「ユーザーにとって有益な情報コンテンツを上位表示させる」
という流れの中で組まれています。

それを、進化したAIを検索エンジンに組み込むことによって、
より全面的に・より広範に行う
…これが2023年のアルゴリズムアップデート、といえるでしょう。

裏技手法は、淘汰されてゆく

この流れの中で、検索エンジンの「裏をかく」ような手法は、通用しなくなり、検索順位を下げることになります。

たとえば、この2~3年の間に広がった「ドメイン寄生」と言われている手法があります。

これは、検索エンジン評価の高い企業ドメインの力を借りるために、
そのドメインを運営する企業と交渉して、ドメインの力を借り、
サブドメインやサブディレクトリなどを作成して、そこにサイトを立ち上げて検索順位を上げる、という手法です。

いわば「グレー」なSEO手法なのですが、検索順位を一気に上げる画期的な方法として広がり、実際に順位が上がる時期が続いていました。

ですが、2023年に行われた様々な検索エンジンアップデートによって
こうした手法で上位化していたサイトの順位は、大きく下落を始めています。

検索エンジンが最新のAI活用を採用して行くことによって
「検索エンジンの裏をかく」ことを目的とした手法は、これからますます淘汰されてゆくことになるでしょう。

SEOのトレンドを掴めば、上位化し、安定する

SEO対策として、私たちがまず考え、力を入れて行くべきことは
ユーザーの満足度が高いコンテンツ」を作成して行くことです。

もちろん、SEO対策は
メタタグ設定(タイトルタグ、ディスクリプションタグなど)、内部リンク対策、ページエクスペリエンス対策(モバイルフレンドリー、表示速度)、被リンク対策など
総合的に、様々なことに取り組まなければなりません。

ですが、SEOの中心は「コンテンツ」、ということであり、
MUMの検索エンジン実装化も含めて、来年以降、さらにその傾向は強まって行くでしょう。

コンテンツは、以下の点を注意しながら
「ユーザーの満足度」のため、ということを留意して作成して行きましょう。

  • コンテンツの質
    別サイトで書かれていた内容をまとめ直しただけ、といった「こたつ記事」ではなく、
    実際の体験・調査などに基づいた、役立つコンテンツにして行きましょう。
  • 検索意図との関連性
    ユーザーが何を知りたくてそのワード検索をするのかを考えて、コンテンツを作りましょう。
  • 専門性と権威性
    その記事の内容ついての専門家であったり、長く携わった人が書くことで、人々にとって役立つコンテンツとなります。
    また、信頼できる情報に基づいて作成しましょう。
  • 正確性と新規性
    コンテンツは、最新の、正しい情報であることが求められます。
    作成したら終了ではなく、常に新しい情報に書き換えて行きましょう。
  • 読みやすさ・わかりやすさ
    どんなに優れた内容であっても、「難解でわかりずらい」「読みにくい」ものですと、ユーザーの満足に応えられません。
    「読みやすさ」「わかりやすさ」の工夫が必要です。
    図・表・画像などの活用も有効です。

・・・・・

2023年も、Googleはたくさんの検索エンジンアルゴリズム「アップデート」を行いましたが、1つ1つのアップデートに一喜一憂するのではなく
「全体としてどこに向かおうとしているのか?」というトレンドを掴むことが大切です。

SEOのトレンドをしっかり把握しておくことで
ムダな努力・時間・資金を使うことなく
検索で上位表示して、安定的にホームページ運営が可能になります。

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