SEO・WEB用語
ヘルプフルコンテンツ
システム
SEO・WEB用語
ヘルプフルコンテンツ
システム
ヘルプフルコンテンツシステムとは、
読み手(ユーザー・人)にとって価値のあるコンテンツかどうかを評価して、
検索結果に反映させるためのGoogle検索エンジンの仕組みのことです。
2024年3月に、検索ランキングを決める仕組みの一つとして、検索エンジンアルゴリズムに組み込まれました。
2022年8月に「ヘルプフルコンテンツアップデート」として導入されたコンテンツ評価の仕組みが、2024年3月にGoogleのコアランキングシステムに統合されました。
検索順位は、これからますます「ヘルプフルなコンテンツかどうか?」という要素が重視されて行くことになり、SEOにも大きな影響を与えて行きます。
ヘルプフルコンテンツシステムの内容・意図は
というものになります。
そこに貫かれている考え方は
「ユーザー(人)にとって有益で価値があるものを上位化して、検索ユーザーの満足度を上げる」というものです。
では、ヘルプフルコンテンツとは、どのようなものでしょうか?
一言で言うと「人が読んで役に立つ・価値があると感じる」コンテンツのことを言います。
私たちは、何らかの情報を得るために、Googleなどで検索します。
たとえば、
「鶏肉 レシピ」と検索する人は、鶏肉をつかったレシピを探している可能性が高く、
「横浜駅 カフェ」と検索する人は、横浜駅近くのカフェを探している、
「ヘルプフルコンテンツ」と検索する人は、それについての情報を求めている人
…と考えられるわけです。
こうした様々な検索に対して、
「わかった」「読んでよかった」「探していた情報が見つかった」など
検索ユーザーが満足するコンテンツを「ヘルプフルコンテンツ」というわけです。
ユーザーの満足には
など、様々な要素が含まれます。
「レシピ」に関する検索であれば、
画像や動画によって視覚的にもわかりやすいコンテンツが満足度が高いでしょうし、
「縄文土器」といった専門的な内容の検索の場合は、
専門的で、最新の研究成果に基づいた正確で豊富な情報が求められるでしょう。
このように「ヘルプフルな」(役立つ)コンテンツとは
検索クエリ(検索内容)に応じて、ユーザーが求める内容を表示しているコンテンツ、ということになります。
「ヘルプフルコンテンツシステム」は、
ユーザー(人)にとって役立つコンテンツを持ったページを上位表示させ、
人に役に立たないコンテンツを排除する検索エンジンのアルゴリズムの一つです。
アルゴリズムには他にも膨大な他の要素・仕組みがありますので、
「ヘルプフルコンテンツシステム」だけで検索順位が決まるわけではありません。
そして、検索エンジンは、ロボットによる検索ランキングを決める仕組みと言えます。
(一部、人による操作・判断も含まれていますが)
では、「役に立つコンテンツ」をどのようにロボットが判断・評価しているのでしょうか?
「役に立つ」「価値がある」という評価は
検索クエリ(検索内容)によっても違いますし、
一人一人の人間それぞれで感じ方も評価も違うはずです。
「ヘルプフルコンテンツシステム」の仕組みと評価項目(シグナル)を見て行きましょう。
「ヘルプフルコンテンツシステム」において、検索エンジンは、
搭載されているAIの機械学習によってコンテンツ評価を行っています。
AIを搭載することにより、
ネット上にある膨大な情報を収集・解析・整理し、
機械学習によって、より精度の高い評価を行う仕組みとしています。
Google検索エンジンが搭載しているAIは、1種類ではなく、解析内容によって複数のAIモデルを使っています。
MUM…2023年にリリースされた最新のAIモデル。文章・画像・動画・コードなど様々なデータを扱い、多角的に解析できる言語モデルであり、新しいデータを取り込みながら、自ら改善して行きます。
Neural matching(ニューラルマッチング)…検索に入力されたワード・文章とコンテンツの関係性を判断する技術。検索入力された複雑な文章から文脈を理解して、コンテンツの内容や信頼性評価を基に、そのユーザーが求めている・関連性が高いコンテンツを見つけ出して行きます。
BERT…コンテンツの理解、品質評価、スパム検出など
その他、様々なAIモデル・機会学習モデル・技術が使われています。
では、「ヘルプフルコンテンツシステム」では、どのようにコンテンツ評価を行って行くのでしょうか?
「人・ユーザーにとって役立つコンテンツ」であるか否かを検索エンジン(AI)がどのように判断して行くかを見て行くことで
私たちがウェブサイトを運営する時・制作する時・SEO対策を考えるときに大きなヒントを与えてくれます。
ヘルプフルコンテンツシステムの評価項目は以下のような内容となります。
このように様々な指標・シグナルからそのコンテンツ自体の評価を行うと同時に、ネット上の膨大な情報・他サイトコンテンツとの比較からもコンテンツ評価を行っています。
逆に言いますと、他サイトからコピーしたり、少し内容を変えただけのページ、他ページと似たり寄ったりで独自の価値がないページ、チャットGPTなどの生成AIの回答を工夫もなく、そなまま書き写しているようなページ…などは、「ユーザーにとって価値がない」とみなされます。
「ヘルプフルコンテンツシステム」では、
「人にとって役に立つかどうか」の評価にあたり、コンテンツ自体の評価にとどまらず、
そのページを読んだユーザー(人)が、
どのように行動するか
…も重要な評価基準としています。
以下のような内容が、評価指標となります。
その他、口コミ、そのテーマに関する専門家の評価・言及など、様々な人々の行動・エンゲージメントが、コンテンツ評価の指標として使われています。
これは「インタラクション」と呼ばれており、
人にとって役立つコンテンツであることは、そのページをめぐる人々の行動も重要な判断基準となっているのです。
ネット上に存在する膨大なコンテンツデータを収集し、コンテンツの自体の分析とユーザー行動をAIの機械学習で評価する仕組みは「クラシファイア」と呼ばれています。
「クラシファイア」と「インタラクション」は、相互作用で、人にとって価値あるコンテンツか否かを高い精度で評価して行きます。
ヘルプフルコンテンツシステムにおいて、検索エンジンがどのように「人に役立つコンテンツ」かを評価しているかを見てきました。
では、コンテンツ評価が実際に検索順位にどのように反映されてゆくかを見て有機ましょう。
ヘルプフルコンテンツシステムにおいては、
「ページ毎」の評価と、「サイト全体」の評価、の両方が行われ、検索結果に反映されてゆきます。
ヘルプフルコンテンツシステムは、基本的には「ページ毎」に評価されてゆきます。
そのトピックについて「人々が読んで価値がある」と考えられるページが、検索エンジンに評価され、検索結果で上位になりやすい…ということです。
たとえば「鶏肉ソテーレシピ」という検索では、画像や動画が表示され、材料や作り方がわかりやすく表示されているものがまず求められますが、
コンテンツ評価においては、ユーザーの行動(滞在時間、口コミ、SNS共有、お気に入り登録)などがより重視されるかもしれません。
また、「縄文土器」という検索では、時代区分・変化・主な遺跡・漁労や採取の道具などについての画像と網羅的で専門家によるわかりやすい説明など、コンテンツ自体の評価が重視されるかもしれません。
このように、検索クエリ(ワード)によって、ユーザーが求めている内容が違いますので、コンテンツ評価の比重の置き方も、ケースバイケースと言えるでしょう。
大切なことは、
「検索をする人が満足する内容」をそのコンテンツが持っているか?ということ。
ヘルプフルコンテンツシステムは、AI・機会学習を使って、「検索ユーザーが満足するコンテンツ」を評価して行く仕組みであり、
まずは、ページ毎にその評価がなされて、検索結果に反映されてゆきます。
ヘルプフルコンテンツシステムのコンテンツ評価は、
個別ページ・検索ワードごとに評価をして行くわけですが、
さらに重要なことは「サイト全体」の評価もこの仕組みの中で行う、ということです。
つまり、「サイト全体」として、有用で役立つコンテンツを多く持つサイトであるかどうかが判断され、それが検索結果に反映されてゆく…ということです。
以下のような評価が下されます。
サイト全体のコンテンツは…
検索エンジンは、ページ毎にコンテンツ評価を行い、
その総計として、サイト評価を行います。
たとえば、
⇒その総計が、サイト評価になる…ということです。
サイト評価が高ければ、個別ページの検索順位が上がりやすくなり、
サイト評価が低ければ、各ページの検索順位も上がりにくくなります。
これは、SEOの考え方を大きく変えるものになります。
これまでは、「ページ数が多ければ多いほどSEOにプラス」と考えられてきましたが
「価値のないページが多いサイトは、マイナスの評価になる」
新たなアルゴリズムが導入されているわけです。
質の低いページをやたらに増やすことは、
サイト評価がマイナスになり、検索結果に悪影響が出ることも考える必要がありますので、
これからのサイト作成・SEOは、
「人に役立つコンテンツ」を、丁寧に増やして行くことが重要になって行く
ということになります。
「ページ毎の評価」と「サイト全体の評価」は、相互作用しており、どちらが重要かはケースバイケースと言えます。
たとえば、サイト評価の高いHPの各ページは、全体として上位表示しやすくなりますが、
コンテンツの質が低いページの場合は、やはり上位表示できません。ヘルプフルコンテンツシステムにおいては「サイト全体」がより重要と考えられますが
まずは、1ページ1ページ「ユーザーが満足するもの」を丁寧に作って行くことが必要です。
「人が読んで価値があるコンテンツかどうか」が
検索順位を決める非常に重要な要素となる
ヘルプフルコンテンツシステムが検索エンジンアルゴリズムとして導入されるまでの流れを、簡単に振り返っておきましょう。
2022年8月
ヘルプフルコンテンツアップデートの導入(英語圏)
2022年12月
ヘルプフルコンテンツアップデート(日本を含む全世界)
2024年3月
ヘルプフルコンテンツシステムがコアアルゴリズムに統合
ヘルプフルコンテンツシステムが検索エンジンアルゴリズムとして導入されたことにより、検索順位の決定方法(SEO対策内容)が大きく変わって行きます。
「ヘルプフルコンテンツ」(ユーザーに役立つコンテンツ)をどのように作成し、SEO対策を行って行けばよいか?…具体的な対策を考えて行きましょう。
SEOは、Search Engine Optimizationの頭文字を取ったもので「検索エンジン最適化」を意味します。
これを文字通りに解釈しますと
検索エンジンという「ロボットのための対策」と言う風に受け取れます。
そして従来のSEOは、「ロボットが気に入るようにサイトを操作することで検索順位を上げる手法」という意味として考えられ、
実際に、それが機能してきた面も大いにあります。
ですが、「ヘルプフルコンテンツシステム」が導入された現在は、
「SEO=ロボット対策」と考えると失敗してしまう可能性が高いと言えます。
つまり、ロボット対策として「文字数」「キーワード出現率」「ページ数」「内部リンク」ばかりを考えて、ページを粗製乱造すると⇒SEOにマイナスになる…ということです。
発想を根本的に転換することが必要です。
まず、「コンテンツを通じて、人々に貢献すること」。
(「人が心から満足するコンテンツを提供する」⇒「検索エンジンも評価する」)
(「人への貢献」⇒「検索ランキングが上がる」)
Googleが考えている「ユーザー第一のコンテンツ」とはどのようなものなのか?
まずはぜひ、ご確認ください。 ↓ ↓
↑のページの中に「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する」というセクションを設けて、以下の内容を自問自答するよう呼び掛けています。
「検索エンジン第一」⇒「ユーザー・人に貢献するコンテンツ作り」
に、SEOの発想を根本的に転換して行きましょう。
あなたは「ページは多いほど良い」
…といった考えでサイト運営を行い、低品質ページを量産していませんか?
これはもはや「古い考え」です。
ヘルプフルコンテンツシステムにおいては、
「人に役立たないページ」はマイナス評価を受け、
無価値なページが多いほどサイトの評価が下がって行き、サイト全体の検索順位が上がらなくなって行きます。
他ページからの「コピペ」や、よいとこどりの「切り貼り」でコンテンツを作っても、すべて検索エンジン(AI)に見抜かれます。
(言い回し・まとめ方を多少変えても、人に役立つ・独自性のあるコンテンツにはなりません)
ChatGPTなどの回答をほとんどそのまま利用してコンテンツを作っても
価値あるページとして評価されず、マイナス評価を受けます。
生成AIを活用すること自体には問題ありません。
ただしそれは、「人にとって役立つ」コンテンツを制作するために有効に活用する場合に限られます。
(検索エンジンは、何パーセントを生成AIに依存しているか見抜きます)
「ページを量産すればサイト評価が上がる=検索順位が上がる」…という考え方は、すぐに捨ててください。
質の低い・ユーザーにとって価値のないページを増やせば増やすほど、サイトの評価は下がり、検索順位は上がらなくなります。
2024年3月に、Googleはスパムポリシーを改定して『大量生成されたコンテンツの不正使用』をスパムとしました。
検索ランキングの操作を主な目的として、質の低い大量のページを作成することは「スパム」と判定され、ペナルティーを受ける可能性があります。
「ヘルプフル」(人に役立つ)コンテンツを、1ページ1ページ丁寧に制作して行くことが、サイト評価を上げ、検索順位を上げるための近道なのです。
では、どのように「ヘルプフル」(人に役立つ)コンテンツを作成して行けばよいでしょうか?…ポイントを確認して行きましょう。
ページを作成するときに、まず「テーマ」選定を行うと思います。
(何について説明するページなのか?)
「ページのテーマ」=「そのページのメインキーワード」、となりますので
テーマを決めるとは、検索キーワードを明確にする、ということです。
「テーマ」「メインキーワード」が決まったら、以下を設定しましょう。
メインキーワード・テーマが決まったら、次に、
その検索ワードで検索する人は「どのようなことを知りたいのか?」「何を求めているのか?」と考えて行きます。
その検索を行う人は…
具体的に「人」を意識することで、コンテンツの目的も明確になり、書きやすくなります。
「その人に向けて」「わかりやすく」「求められている情報を網羅的に」書いて行きましょう。
サイトを作るときにも、ページを作成するときにも、まず「専門性」を絞る・活かすことが大切です。
たとえば「美容院」と「脱毛サロン」を経営しているときは、2つにサイトを分けた方がベターと言えます。2つはお客様のニーズが違いますし、分けることでサイトの専門性を深めることができます。
コンテンツ制作においても、自分の専門性を活かして行きましょう。
いくら「内容の良いコンテンツを作成できた」と自分で思っても、
ユーザーにとって「読みづらい」「わかりにくい」…ものでは
「ユーザー満足度の高いコンテンツ」とは言えません。
ヘルプフルコンテンツシステムにおける「質の高いコンテンツ」とは、
「ユーザーが心から満足する」コンテンツを指します。
(閲覧者の「閲覧時間」などのユーザー行動も検索エンジンは評価します)
コンテンツ作成において、「わかりやすさ」を追求することはとても重要です。
「人に役立つ」「人が満足する」コンテンツを評価し、検索順位決定の大きな要素とする…これがヘルプフルコンテンツシステムです。
コンテンツを作成したら、再度、以下をチェックして、よりよいものに仕上げて行きましょう。
「ヘルプフルコンテンツシステム」が検索ランキングシステム(アルゴリズム)に組み込まれたことで、今後、検索順位表示が、時間の経過に従って大きく変わって行くことが予想されます。
多くの人が信じて来たSEOの常識も、多くの部分で変えて行く必要があります。
「SEOとはロボット対策」⇒「SEOの第一は、人の満足度」
「サイトのページ数は多いほど良い」⇒「粗製乱造はマイナス」
「文字数は多いほど良い」⇒「人が読んで満足することが第一・文字数は関係ない」
…など
本格的なAI時代に入り、検索エンジンもAI活用により大きな変化のときを迎えています。
「人間にとって役立つコンテンツ」をAIが、さまざま角度から、機械学習などを通じて評価判定し、検索結果に反映して行く時代へ。
このページでご案内してきた内容を一つ一つ確認しながら
「ユーザー(人)が満足する」コンテンツを作成し、
新しい時代のSEOに対応して大きな成果を上げて行ってください。
著者:SEOコンサルタント・ウェブデザイナー
SEOホームページ代表 占部圭吾
関連ページ