SEO・WEB用語
平均エンゲージメント時間
SEO・WEB用語
平均エンゲージメント時間
Googleが提供するサイト解析サービス「アナリティクス」。
新バージョン「GA4」によって、従来バージョン(UA、ユニバーサルアナリティクス)と、計測方法や指標などが大きく変わりました。
グーグルアナリティクス(GA4)に計測値が表示される「平均エンゲージメント時間」は、ホームページでの集客やSEO対策にとって、非常に重要な指標です。
このページでは、平均エンゲージメント時間とは何か?それが意味するものと、計算方法、目安、そして自社サイト改善・SEO対策での活用方法について解説いたします。
【目次】
「平均エンゲージメント時間」とは、
ユーザーが、ウェブサイトやアプリを
「実際に、見ている・読んでいる・使っている平均時間」のことです。
サイトやアプリは、ユーザーに読んでもらい、使ってもらってはじめて、その価値をユーザーに届けることができますので
平均エンゲージメント時間は「ユーザーの満足度」を数字としてあらわす非常に重要な指標と言えます。
この数字を分析することで、ウェブページやアプリの具体的な改善ポイントを把握し、SEO対策にも活用することができます。
グーグルアナリティクス4(GA4)における「エンゲージメント」とは、
サイトやアプリを「見ている・読んでいる・使っている」ことを意味します。
実際には、以下の内容です。
…つまり、実際にサイトなどを活用していることをエンゲージと言います。
たとえば、サイトを開いている状態であっても、ブラウザの別タブで別サイトを閲覧している場合はエンゲージにはならず、
高速でスクロールして全体を確認しているだけの場合もエンゲージにはなりません。
実際にウェブページを読むためにスクロールしている場合にエンゲージメントとなります。
ECサイトの場合は、商品の詳細ページを閲覧する、一定時間留まるといった操作がエンゲージメントとなります。
実際の人間の行動にフォーカスして、「実際の利用」に限定した時間の測定が可能になり、それを数値化したものが「エンゲージメント時間」ということです。
人間のウェブサイト閲覧の実体を測定して指標とするようになった点が、GA4の画期的進歩の一つと言えるでしょう。
「平均エンゲージメント時間」は
「エンゲージメントの合計時間 」÷「アクティブユーザー数」
で算出されます。
たとえば、100人のユーザーが、合計で150分のエンゲージ時間があった場合は
150÷100=1.5分 となります。
アクティブユーザー数とは、サイトやアプリにアクセスしたユニークユーザー数です。
(1人が3回、サイト訪問をした場合、ユニークユーザーは1人です)
グーグルアナリティクスの旧バージョンであるUA(ユニバーサルアナリティクス)の「平均滞在時間」は、GA4の「平均エンゲージメント時間」と、どのように違うのでしょうか?
UAの「平均滞在時間」は、
ウェブページなどを「開いている」時間を基に算出されていました。
この場合、ブラウザで複数のタブを使って別サイトを見ていても、ウェブページは「開いている状態」であるため、「滞在時間」とされていたわけです。
【 UA 】…平均滞在時間
測定対象 | ページが開かれている時間を測定 |
計測対象 | ユーザーが開いた全てのページ |
算出式 | 「総滞在時間」÷「ページビュー数」 |
【 GA4 】
…平均エンゲージメント時間
測定対象 | ユーザーがページに実際に使っている時間 |
計測対象 | ユーザーが実際に使った(読んだ)ページ |
算出式 | 総エンゲージメント時間 ÷ アクティブユーザー数 |
「直帰率」という指標も、UAとGA4では大きく異なります。
UAにおける直帰率は、
「1ページだけを見て、他のページを見ずに離脱した」セッションを基に計算されます。
つまりUAの場合は、そのページをじっくり読んで「満足して」ページを閉じた場合は、
「直帰」とカウントされるわけです。
一方でGA4での直帰の考え方は、
「エンゲージメントなく離脱した」セッションをいいます。
ページを開いて、スクロールをざっとしてみたものの「読まずに・使わずに」すぐにページから去ってしまった場合を直帰とします。
GA4の直帰率の算出の方が、
より、ユーザーの行動や満足度に基づいた指標・計算方法、ということができます。
平均エンゲージメント時間の目安は、
サイトの種類、業種、ページの文字数など、様々な要素で変わるため、一律に「何分が目安」ということはことは難しいと言えます。
たとえば、ニュース系のブログ記事の場合は、ユーザーはざっと記事を内容を確認しますのでエンゲージメント時間は短くなりがちですし、何かのやり方を図解で示しているページは、ユーザーが確認しながら見て行くので、エンゲージメント時間は長めになります。
また、動画サイトは長くなり、ECサイトは商品の値段等をじっくり評価するため長くなり、
文字数の少ない用語解説ページや各ページの案内・リンクページは短くなります。
このように平均エンゲージメント時間は、
自社のホームページの特徴や、各ページの位置づけ・内容などを考慮して目安とすることが必要となります。
当社「SEOホームページ」でウェブサイト制作を行った事例では、
検索順位の上がり方と平均エンゲージメント時間の関係を見て行くと
「サイト全体の平均エンゲージメント時間」「SEOターゲットページの平均エンゲージメント時間が
1分30秒程度であると、順位が上向きになる傾向があります。
ただしこれも、キーワードの難易度や業種、他のSEO要素との関係、そのページの特性等もありますので一概にいうことはできず、サイト毎・ページ毎に判断し行く必要がありますので、あくまで参考値・傾向値としての目安としてお考えください。
平均エンゲージメント時間は、
実際にユーザーが自社サイトを「読む」「使う」「見る」時間を表していますので、
この数字は「お客様の満足度」を示す数字と言えます。
GA4のデータを見るとまず目につくのが
「表示回数」「ユーザー」とならんで「平均エンゲージメント時間」であることは、この数字が非常に重要であることをGoogleが考えていることの表れ、と言えます。
平均エンゲージメント時間が伸びて行けば、
などが期待できます。
平均エンゲージメント時間は、
自社サイトの「現状のお客様満足度」を表している数字ですので
この数字を基にサイト全体や各ページの現状把握を行い、改善を行うことは、
非常に高い効果をもたらします。
Googleは「ユーザーに最高の検索体験を届ける」ことを使命としていますので、
ユーザーの満足度を示す指標である「平均エンゲージメント時間」は
当然、検索エンジンのアルゴリズムのシグナルとして使用されていると考えられます。
(※不正防止のため、Googleはアルゴリズムの詳細について公表していませんが。)
検索エンジンは、ユーザーがサイトに長い時間滞在し・読み・使っているウェブページを、ユーザーの満足度が高いページと評価し、検索順位に反映させますので、「平均エンゲージメント時間」が長いウェブページは、検索ランキングが上がりやすい…と考えてよいでしょう。
もちろん、検索エンジンのアルゴリズムのシグナルは、様々な要素・指標がありますので、他の要素を含めた総合評価で検索順位が決まって行くのですが、
平均エンゲージメント時間は、その中でも非常に重要な要素の一つであることは間違いない、と言えます。
SEOは、「タグの見直し」「内部対策」「外部対策」など多様な対策が必要ですが、
平均エンゲージメント時間を分析する⇒自社サイトを見直し改善する、という対策は、SEO上も非常に重要な分野と考えるべきでしょう。
平均エンゲージメント時間は、Googleアナリティクス4(GA4)から簡単に確認できます。
(GA4をまだ導入されていない場合は、セッティングしてください。)
GA4データのホームに「平均エンゲージメント時間」の数値と推移がグラフで表示されています。
↑は、サイト全体の平均エンゲージメント時間です。
さらに、ページ別に平均エンゲージメント時間を確認することが重要です。
確認方法は、左側の「レポート」をクリックして⇒「エンゲージメント」⇒「ページとスクリーン」をクリックします。
これで、ページ別の平均エンゲージメント時間がわかります。
どのページが読まれていて、どのページがそうではないのか、すぐにわかりますので、
とても貴重なデータです。
サイト内で重要な・ユーザーに読んでほしいページで平均エンゲージメント時間が「短い」ページをこのデータから選定して改善を進めて行きましょう。
SEO上も非常に重要な分野と考えるべきでしょう。
平均エンゲージメント時間が短いページは、
「ユーザーにとって興味を引く内容ではない」「コンテンツ内容が貧弱」という可能性が高いですので、
を考えて、コンテンツを改善し行きましょう。
まず考えるべきことは、
そのページの対象となる人は「どのような人か?」(属性、年齢、興味)、「検索する際の意図はなにか?」(どのような情報を必要としているか?)についてです。
ユーザーのニーズから外れた文章が長々続いても(文字数が多くても)興味を持ってもらえず、すぐに離脱されますので、平均エンゲージメント時間は短いまま、検索順位も上がりません。
つまり、ユーザーニーズをしっかり考えずに作成されたページは、ユーザー満足度を高めることから失敗する可能性が高くなるということです。
再度、「ユーザーのニーズは何か」を検討するところから始めてみましょう。
現状のページのコンテンツ(内容)を見直します。
まず、項目(見出し)構成を書き出し、足りないものはないかを考え、必要な項目を補充します。
次に、各項目の文章で、説明が足りていない・表現がわかりずらい・内容が平凡なところをチェックして書き直して行きましょう。
その際に重要な点は、「ユーザー目線」で考える、ということ。
ユーザーがどのような人か(年齢や経験)を考えたうえで「わかりやすいか?」「疑問に答えているか?」「なるほど、と思ってもらえる内容か?」を自問自答しながらコンテンツを改善して行きましょう。
平均エンゲージメント時間が短い理由は、内容よりも、見せ方に問題があるかもしれません。
これらをチェックして、ユーザーが読みやすい形式に改善して行きましょう。
ページ改善は1回で最善に近づかないことも多いですので、定期的に見直し、改善を繰り返して行くことがベストです。
更新を続けることで、最新情報をコンテンツに入れることもでき、ユーザー満足度を高めることができますし、湖心頻度を高めることで、検索エンジンの評価も高まります。
平均エンゲージメント時間を伸ばすためには、サイト全体の改善が必要な場合もあります。
あるページを読んでいただくだけでなく、関連するページをあわせて読みやすくする工夫をして行くことで、サイト滞在時間が長くなり、サイト全体の平均エンゲージメント時間を伸ばすことにつながります。
(当然これは、SEO対策としても有効です)
・・・・・
「平均エンゲージメント時間」を伸ばして行く=「ユーザー満足度を高める」
ということですので
そのために改善を重ねることは、
ユーザーが自社の商品やサービスへの理解を高めて、コンバージョン・売上アップにつながると同時に、SEO対策としても強力な効果を持ちえます。
ぜひ、このページの内容を参考に、
「ユーザー目線で」サイト・ページの改善を行ってみてください。
著者:SEOコンサルタント・ウェブデザイナー
SEOホームページ代表 占部圭吾