ロングテールとは?-キーワードの選び方とSEO対策
ロングテールとは?
ロングテールとは、
「一つ一つの商品としては販売数が少ないが、これを多様なニーズを持つ顧客層に販売することで、『売れ筋商』よりも合計販売数で上回る」という考え方です。
(アメリカのWired誌編集長のクリス・アンダーソンが提唱)
アマゾンが「地球上最大の本屋」というキャッチコピーでオンライン書店で成功を収めたことにより「ロングテール」は注目されるようになりました。
ネット時代の新しいビジネス手法としてロングテールの考え方はとても有効なのです。
上のイメージ図では、縦軸は「個々の商品の販売個数」、横軸は個々の商品を、販売数が多いものから並べたものです。
「あまり売れない商品」はロングテールとなってどこまでも伸びて行きます。
従来の発想では、「売れ筋商品」に力を集中する。
ロングテール戦略では、この発想をひっくり返して、「あまり売れない商品」(=多様なニーズ)に対応することで、これまでにない総売上額を実現する、というものになります。
ですが、こう感じた人もいるのではないでしょうか?
「うちはネット通販はやっていないから…」
「中小企業だし、品ぞろえを増やせば増やすほどコストがかさむ…」
確かにそうです。
ですが、中小企業・個人事業者であっても、どんな業種であっても応用できる方法があります。
それが「ロングテールキーワード戦略」「ロングテールSEO」といわれる、
新しいWEB集客の方法です。
ぜひ、この考え方を使って、ホームページの集客力を大きく引き上げてください。
【もくじ】
ロングテールSEOとは?
「ロングテールキーワード戦略」「ロングテールSEO」とは、
ロングテールの考え方をSEO・WEB集客に応用したものです。
たとえばあなたがフランス留学の斡旋事業を行っているとします。
当然、「フランス留学」というワードでSEOをかけて検索で上位表示したいと考えるでしょう。
ですが、競合がひしめいていて、なかなか上位になれません。
そんなときに、↓のようにキーワードを考えて行きます。
「ビッグワード」とは、検索数が多いキーワードですが、同業他社のほとんどが狙っているワードでもありますので、上位化の難易度も高くなります。
「ロングテールキーワード」は、検索数は少ないですが、考えて行けば無数にあり、同業者が狙って対策していることは稀ですので、検索で上位化しやすく、確実な集客を積み上げて行けるのです。
ビッグワードばかりを狙って成果が出ず、
「SEOは難しい」とあきらめてしまうのでなく、
ロングテールキーワードで集客を積み上げて行く方法をぜひ実践してみてください。
ハミングバードアップデートとロングテール
検索エンジンも、ロングテールキーワード戦略が行いやすいように進化を続けています。
その一つが「ハミングバードアップデート」。
これは、「文章型の検索」や「会話型の検索」について、検索エンジンがその内容をくみ取り、最適な結果を検索順位として表示できるようにするもの。
これにより、たとえば「一番近くの格安ビジネスホテル」といったスマホでの音声検索や
「高齢者でも登れる神奈川で人気の山」といった複合ワード・文章化された検索でも、
ユーザーにピッタリのWEBページが表示されるようになりました。
人々が様々な場面で検索するよになり、検索に慣れ、
多様なニーズに応えられるように検索エンジンが進化したことで、
ロングテールキーワードでの集客・SEOもいっそうやりやすくなっているのです。
ロングテールSEOのメリット・デメリット
ロングテールSEOのメリット
では、「ロングテールキーワード戦略」(ロングテールSEO)のメリットを見て行きましょう。
【ロングテールキーワード戦略のメリット】
たとえば「山梨 キャンプ場」で検索した人がいます。
ビッグワードですので、競合が多く、どのサイトも似たり寄ったりで「選べないな…」と感じる人も多くなります。
そこで「山梨で家族で川釣りができるキャンプ場」と検索します。
「ピンポン!ここだ!」
その人にピッタリのキャンプ場が見つかって、すぐに「問合せ」をしてくれます。
(「山梨で家族で川釣りができるキャンプ場」というページを作るだけでOK!)
ロングテールキーワードのページは、閲覧者が反応してくれる率(コンバージョン率)が高くなりやすいのです。
ロングテールキーワードのページを作っている競合は「いない」または「とても少ない」ですので、当然、検索で上位になりやすくなります。
ロングテールキーワードのページをたくさん持ち、上位表示を独占できれば、結果として多くの人にホームページを見てもらえます。
しかも、競合は少ないですので、検索順位が乱高下することはなく、安定した集客体制ができます。
様々なニーズに対応するコンテンツがホームページに掲載されていることで
「この業者はプロフェッショナルだ」「信頼できる」と感じていただくことができ、安心感・信頼感を得ることができます。
様々なワードに対応するたくさんのページから、メインのページにリンクを集中させることで、サイト全体が強くなり、「ビッグワード」でも検索で上位化して行きます。
ロングテールSEOのデメリット
「ロングテールキーワード戦略」(ロングテールSEO)のデメリットを見て行きましょう。
様々なワードについて調査し、コンテンツを作り、ページ作成を地道に行う必要がありますので、とても労力がかかります。
ですが、労力がかかるというデメリットは、メリットでもあります。
なぜなら、競合他社は労力を嫌って、ロングテールキーワードのページを作ることを「ほとんどしない」からです。
また、こうした労力が、社内の(自分の)ノウハウや専門知識の蓄積にもつながりますので、サイトがプロフェッショナルとなると同時に、コンテンツを作る人自身もよりプロフェッショナルとなり、競争力が高まります。
ロングテールキーワードは競合が少ないといっても、検索で上位表示するまでには一定の時間がかかります。
また、一つ一つのワードの検索数は小さいですので、最初は「成果が見えにくい」という点もあります。
初期の段階で成果が見えずらいため、途中でやめてしまうケースも多いのです。
「ロングテールキーワード戦略は、時間がかかるが、後で大きな成果につながる」ということを認識して、地道な努力を続けることが大切です。
サイト内のページ数が膨大になってきますので、サイト管理が大変になりますし、コンテンツも重複しがちです。
定期的にサイト全体を見直し、メンテナンスする必要があります。
まとめ
「労力がかかる」「時間がかかる」「管理が大変」などのロングテールキーワード戦略のデメリットは、
「…だから競合他社はやっていない」⇒「後々大きな成果につながる」
というメリットの裏返しです。
ロングテールキーワードを押さえることで、「サイト全体が強くなる」「WEB集客力が大きくなる」「閲覧者の反応が継続する」という効果がもたらされますので、ぜひ、以下に紹介する方法で取り組んでみてください。
ロングテールキーワードの選び方
ロングテールキーワードのページを増やして行くといっても
思いついたワードから次々にページを作ればいいということではありません。
キーワード出しをどのように行って行くか?
どのワードを選べばいいのか?
どのように優先順位をつけるのか?
についてみて行きましょう。
Google検索を利用する
ロングテールキーワードは、メインワード(あなたの事業に関する最も中心となるワード)につながる複合ワードであること多いです。
ロングテールキーワードを見つけて行くには、様々なツールがネット上にありますが、
もっとも効果的のは、Google検索を利用する方法です。
やり方はとっても簡単です。
サーチコンソールなどのブラウザで「グーグル」と検索してグーグルのトップページを開き
↓
検索窓に、「メインワード」+「あ」と入れてください。
表示されたワードで気になるものをメモして行きましょう。
そして、
「メインワード」+「い」
「メインワード」+「う」 ・・・と続けて入れ、メモして行きます。
これは自動的に候補となるなるキーワードを表示してくれる「オートコンプリート」という機能で、Googleで検索されたことのあるワードが表示されますので、
「ハズレが少なく」、とても便利に有効なキーワードを把握することができます。
お客様の声などから探る
「アンケート」や「お客様の声」などがある場合は、そこに書かれているものからキーワードを探って行くのも有効です。
(お宝ワードがあるかもしれません)
「キャンプ場の野鳥のさえずりが素晴らしかった」「蛍が見れて感動しました」などの声の中に、自分たちが見落としていた大切なキーワードや、自社の強みがあるかもしれません。
お客様のフィードバックは、どんな場面でもビジネスを強くしてくれる内容がつまっています。
キーワードプランナーで調査する
ある程度候補となるキーワードが揃いましたら、Googleが提供する「キーワードプランナー」で、検索数や競合性などを調べます。
(キーワードプランナーを使うにはGアカウントが必要になりますので、持っていない場合は取得してください)
「キーワードプランナー」と検索してトップページを開き、
「キーワードプランナーに移動」ボタンをクリックして、
Gメールアドレス→パスワードを入力して、画面に従って進んでください。
「新しいキーワードを見つける」をクリックして
キーワードを入れて行きます。(入れましたら「Enterキー」をクリック)
結果が表示されます。
「月間平均検索ボリューム」で、どれくらいの人が1か月に検索するワードかがわかります。
「競合性」で、どれくらいサイトがひしめいているか(上位化の難易度)が大体把握できます。(「低」「中」「高」の3段階表示 )
ロングテールキーワードを選ぶとき、この結果は大変参考になります。
意外なワードが「検索数が多くて、競合性が低かったりします)
(できればExcel などに一覧表にしておきましょう)
検索ワードと検索者のニーズ
様々なキーワード候補が上がってくる中、「検索者のニーズとワード」について考慮することも大切です。(閲覧者が何を求めて検索するワードか?ということ)
例えば「フランス留学 歴史」などのワードは、調査したい人のワードですので、あなたのビジネスに関心がある人ではない可能性が高いと考えられます。
「どのような人が、どのようなニーズで検索するワードか」を考えることが、ロングテールキーワードを選ぶコツです。
ロングテールSEOの方法
ロングテールキーワードを選んだら、以下のことを行って行きます。
- キーワードごとにページを作成する
- SEO設定を行う
- ページ同士をリンクでつなげる
キーワードごとにページを作成する
ロングテールキーワード戦略は、各キーワードごとに「ページを作成」することが必須です。
ページ作成は
「サイト内にページを新設」して行くか
「サイト内の専用ブログ」で記事を書いて行く、という形を取ります。
ブログ記事の場合は、ホームページ外の一般ブログ(アメバブログなど)ではなく、必ずサイト内に設定したブログを使ってください。
そして、ここで大切なことは「コンテンツを作り込む」ことです。
「そのキーワードで検索する人が求める情報は何か?」を考えて、どのような内容を書いて行けばよいかを整理して、わかりやすく・詳しいコンテンツを書いて行きましょう。
SEO設定を行う
ロングテールキーワードでページ作成をするときに、SEOタグ設定をきっちり行いましょう。
設定方法は、お使いのCMS(Word Pressなど)、制作サービス、制作会社などによって違いますので詳述しませんが、
SEOタグごとにきちんと設定しましょう。
タイトルタグ
タイトルタグには、そのページのロングテールキーワードをきちんと入れてください。
(重要ワードから先に記述すると効果があります)
ディスクリプションタグ
ディスクリプションタグは、そのページの説明文であり、わかりやすく概要を入れます。
ここもロングテールキーワードを入れることが大切で、重要ワードは2~3回繰り返して入れましょう。
見出しタグ(hタグ)
ページ内の文章には、「大見出し(h1タグ)」、「中見出し(h2)」、「小見出し(h3)」、を入れて行きます。
閲覧者が読みやすくなり、SEO効果が高まります。
(各hタグに適宜キーワードを入れましょう)
ページ同士をリンクでつなげる
ロングテールSEOで非常に重要で効果の高い設定は「内部リンク」です。
あるページを見てくれた閲覧者が興味がありそうなページをリンクを通じて次に読んでもらう設定で、閲覧者に有用な内容を見てもらい、信頼感が増し、各ページ・サイト全体のSEO効果が高まります。
リンクを貼るときは「アンカーテキスト」で、
キーワードを入れたリンクを貼るようにしましょう。
アンカーテキストのリンクとは↓のようなリンクです。
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。
ロングテールキーワードでページを増やし、サイトを充実させることは
「WEBで集客する」「受注を増やす」「SEO効果を上げる」上で、非常に大きな効果があります。
ほとんどの競合他社がやっていない方法ですので、
ぜひ、このページのノウハウを使って取り組んでみてください。
ロングテールキーワード戦略・ロングテールSEOにより、
様々な関連ワードで検索上位を独占して、
メインワード・ビッグワードでも上位に表示される形を作ることができます。